まめ得のタネ

病室のベッドで、友人がポツリと言ったひとこと。 わたしは初めて「これからのこと」を考えた。

出典:筆者にて作成(ChatGPTが生成したわたし)


筆者:中村修一 69歳(独身・仮名)

 

 

「お前も考えたほうがいいぞ、おひとりさまだろ……」

 

友人が突然倒れたと連絡が入り、見舞いに駆けつけた病室で言われた言葉です。

 

「妻と子どものためにも、財産はどうするのか、僕の希望はどうしてほしいのか、早めに記録しておかないと」と話す友人に、その時は「そうだね」とだけ返したのですが。

 

独身の私は、そもそも相続人がいない場合に当てはまるのかもしれない。そこから、遺贈寄付という選択肢にたどり着きました。

 

突然、現実になった「わたしの財産の行き先」

 

帰りの電車に揺られながら、友人の「お前、おひとりさまだろ」の声が蘇ってきて、しばし、考えに耽りました。

 

ずっと独り身で69年、3歳違いの弟とは疎遠で、もう20年以上会っていない。

 

自分が死んだ後のことなんて、先のことと思っていましたが、突然、リアリティが増してきて、考え込んでしまったんです。

 

どうする?

 

どうする?

 

どうする?

 

人に言われて気づくのも情けない話ではありますが。独り身だからこそ、やることがいっぱいありそうだと気づいたのです。

 

・預貯金・株式をどうするか。誰に残したいのか。

・葬儀・墓・遺品をどうするか。誰に頼めばよいのか。

 

妻も子もいません。信頼できる誰かに頼んでおかなきゃ!いや、その前に、自分がどうしたいのかを決めなきゃ!

 

流れる景色にふと目を移すと、車窓に初老の男がひとり映っていました。「早く、行動に移したほうがいいな」

 

「相続人がいない場合」を、チャッピーに聞いてみました

 

流行りのチャッピー(Chat GPT)に聞いてみたんですよ。「相続人がいない場合、どうすればいい?」って。すると……(以下、要約)

 

『法定相続人が誰もいない場合でも、財産が宙に浮くわけではない。最終的には国庫に帰属する可能性があるが、その前に、本当に法定相続人が存在しないのか、相続人はいるが、全員が相続放棄したのかを明らかにする。どちらの場合も、家庭裁判所で「相続財産清算人」を選任して、財産や借金を整理する手続きにつながる』

 

わたしの場合、放っておくと、残った財産は弟に行くか、国庫に行ってしまうということなんでしょう。なんとも、釈然としませんでした。チャッピーは続けます。

 

『財産を誰かに残したいなら「遺言」が非常に重要。相続人がいなくても、遺言によって友人、親族、団体、公益法人などに財産を「遺贈寄付」することができる。ただ、「遺言を書けば終わり」ではなくて、「遺言執行者」を指定しておくことが重要』

 

遺贈寄付は「相続」と何が違うのか、知りました

 

自分自身が亡くなってから、自分の財産のすべてもしくは一部を寄付することを「遺贈寄付」と言い、この寄付を選択する人が、近年、増えているそうです。

 

寄付先は、母校でも良いし、住み慣れた自治体でも良い。もちろん、応援したい団体でも構いません。寄付する先が一か所ではなく、複数になっても問題ありません。

 

実際に寄付をするのは自分自身が亡くなってからです。その時、財産がいくら残っているかはわからないけど、それも問題ないそうです。

 

さて、遺贈寄付を実行するには、いくつかの条件がありました。

 

・遺贈寄付を行う相手先を明確に指定しておくこと

・遺言書を作成すること

・遺言執行者(弁護士や信託銀行など)を決めておくこと

 

などです。

 

気になっていた「遺贈寄付の税金」のこと。誤解が解けました

 

相続を考えると、どうしても相続税のことが頭をもたげてきます。でも、遺贈寄付をする場合は、原則、相手方に相続税はかからないのですね。

 

「自分の思い(寄付額)が目減りすることなく届く」

 

というのは嬉しい気持ちになりました。

 

調べるほどに、気持ちは前向きになっていきました

 

いろいろと調べるうちに、これからの人生を前向きに捉え始めている自分に気がついて、びっくりしました。

 

「自分で遺贈寄付や死後のあれこれを選んで決める」という意識や行動は、自分の人生に意味を持たせることにつながります。

 

自分が死んだ後も、この世に希望を残しておくことにつながります。

 

そう思えてきたんです。

 

調べていくうちに、自分と同じような境遇の人の声もいくつか目にしました。「相続する人がいない、でも国に持っていかれるのは嫌だ」という、まさに今の自分の気持ちを代弁するような言葉もあれば、こんな話も心に残りました。

 

定年退職をきっかけに収入が減り、30年近く続けてきた毎月の寄付を泣く泣く止めてしまった方が、遺贈寄付という仕組みを知って、「生きている間はできなくても、自分が亡くなったあとに残った財産で、また同じ団体を支援できる」と気づき、ずっと心につかえていたものが取れたように感じた、という話です。

 

現時点では、寄付先を決めるまでに至ってはいませんが、イメージは少しずつクリアになっています。

 

結婚しなかったので子どもはいませんが、子どもは好きなので、生活が苦しい子どもたちを支援するNPOがいいな、とか、熊本の地震や千葉の大水害のニュースを見るたびに、災害支援・医療支援を行う団体に寄付したいなと思いはじめています。

 

もう少し、視野を広げるために、遺贈寄付を受け付けている団体のパンフレットを取り寄せて、具体的な検討をしようと思っています。

 

遺言書を書き、遺言執行者を決めておくことも、最初は大げさだな〜と思ったんですよ。でも、今ではすごくポジティブに感じます。こうやって、人生の終え方を決めておくことによって、先の見えない不安を取り除くことにつながっていくと感じています。

 

まとめ:自分の意思で、人生の続きを整える

 

友人の見舞いから始まった「自分の人生をどのように整えるか」という宿題は、遺贈寄付を中心にしながら、「人生の生前整理」という前向きな行動になりました。

 

あらためて、友人には感謝です!

 

わたしが、遺贈寄付を考えるにあたり、参考にしたサイトをご紹介しますので、気になった方は覗いてみてください。遺贈寄付を受け付ける10前後の団体パンフレットを、無料で送付してくれます。

 

gooddoという会社の遺贈寄付ガイドというサイトです。

 

gooddo株式会社は、非営利団体や非政府組織と寄付検討者をつなぐ仕事、広報の支援などをしている会社です。

 

遺贈寄付について、よくある疑問にお答えします

 

出典:筆者キャプチャ(オンラインでお世話になったgooddo社石田さん)

 

Q1. 相続人がいない場合、財産は実際どうなりますか?

法定相続人には順位があり、配偶者のほか、子(第1順位)、父母などの直系尊属(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)の誰もいない場合、「相続人不存在」となります。この場合、家庭裁判所が相続財産清算人を選び、借金などの清算を行ったうえで、特別な縁故があった人への財産分与を経て、それでも残った財産は最終的に国庫に帰属します。

 

Q2. 「遺贈」と「相続」は何が違うのですか?

相続は、法律で定められた相続人が財産を引き継ぐ仕組みです。一方「遺贈」は、遺言によって、相続人以外の個人や団体にも財産を託せる仕組みです。遺贈のうち、社会貢献を目的に行うものを「遺贈寄付」と呼びます。相続人がいない方でも、遺言を残すことで、財産の行き先を自分の意思で決めることができます。

 

Q3. 遺贈寄付に税金はかかりますか?全部寄付しないといけませんか?

現金で遺贈寄付をする場合、寄付先が認定NPO法人や公益財団法人など一定の要件を満たす団体であれば、原則として相続税はかかりません。これは寄付を受け取る団体側が非課税になるという仕組みで、寄付した意思がそのまま目減りせず届くということでもあります。また、全財産を寄付する必要はなく、金額の一部でも、複数の団体に分けて寄付することも可能です。

 

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